蹴馬鹿の窓 NO.20

友人R。
2004.1.26

40も越えると そう簡単に友達を作ることはない。
イヤなわけじゃない ただ おっくうなのだ。
相手を知ったり 信頼関係を築いたり 誘ったり 誘われたり 面倒に思うから。
だが そんな私でも 40を越えて パッパッパッっと 友達が出来た。

と こんなことを書くと 何か怪しいペンダントでも売りつけられそうですが
「幸運の○○」とかじゃなく 「出会いサイト」でもない。
もちろん この 「こんさくたろう」の縁が キッカケなワケです。
中でも 今ではすっかり相方となった ある方を紹介します。

ある時は心優しい青年 ある時は気遣いの名幹事 ある時は頼れるボランチ
その名を 蛇乃目亭ルンバ

皆さまから 好青年 好青年と たいへん御好評を頂いてる ルンバ氏
今回はこの人の 裏側 その素顔を探ってみようと。

裏ルンバ  それが 蹴馬鹿 No20の 主役です。


あれは一昨年の秋。 まだ こんさくたろうの誰とも会ったことがなかった頃
掲示板にお邪魔しては デタラメなことを書き込んでいました
そんなある日 サテライトの試合があると言う 「見に行こうかな」と書き込んだところ
「僕も行きます!」と言う人がいた 名を"蛇乃目亭ルンバ"と言う
ふざけた名前に思えていたが 性格は至って真面目"そう"だった
会ったことはなくても その書き込みで 好青年度合いが分かる。
「じゃ現地で会いましょうか?」と言う話しの流れになった
そんな好青年なら いきなり殴られることも 通帳の残高を聞かれることもない 
多少の安心感と かなりな警戒心と 心強いボディガード U子を随え
初対面の約束をした。 財布には2000円しか入れなかった。

"ゴール裏 上段 ジージャンを着ています"のメッセージが目印。
ちょっと遅れた宮の沢で さり気なくルンバ氏を探す 「ん?あれか?」
それらしき人物を見つける まずは素通りで様子を探る
あくまでもさり気なく 静かに kazuaの警戒心はリス並に強い
後ろから その人物をよーく観察する ジージャンを羽織った好青年風の男
だが ルンバ氏らしき人の隣にもう一人 青年が …話しが違う?仲間か?
んん…マズい 2人組か… 逃げるか… いや こっちには U子が付いている
こいつは強い 頼りになる。 人生丸ごと頼りっぱなしだ。
取りあえず 少し離れたところに座る だが試合より初対面の方が気になっていた。
双眼鏡で選手を見るふりをして ルンバ方面を覗く 隣の男と話してる
何の会議だ… やつらは必ず預金残高を聞いてくる マズい…
それは恥ずかしいから 答えられない… 財布を見た やはり2000円だけ
財布を差し出しても 恥ずかしいだけだった。

サテライト 前半終了 何対何かも知らない 神経は初対面の方に行っている
そして 運命の時は近付く 携帯を取り出す 掛けようか 止めようか 迷う
がしかし もう逃げるわけにはいかない 意を決して ルンバ氏に連絡を入れる
U子から「ちゃんと挨拶するんだよ」 小学4年生なみの注意を受ける
プルル プルル… 切るか プルル… いや U子が付いてる プルル…
ルンバ氏が出る


ここです! 今 手ぇ 振ってます!


あれから1年半が経とうとしている。
昨年コンサドーレの試合のほとんどを 彼と見に行った。
一昨年の天皇杯・厳寒の室蘭も 昨年 奇跡の市原戦も一緒だった。
そう言えば 甲子園 駒苫優勝の瞬間は札幌ドームでU-17の大会を2人で観てた
CZさんから「あんたら そこで何してんの?」的なニュアンスのメール入る
なるほど。甲子園優勝なんて歴史的な出来事を TVすら見ずにドームに来る
随分 奇特なことだ だが2人とも まったく意に介してない。当然 後悔もない。
だが そう言うCZさんも TVを見てない様子。やはり同類だ。
結局 我々の興味は駒苫優勝よりも コンサユースとドイツの7番君に注がれた。
選手権道大会決勝も2人で見た ルンバ氏は仕事を抜け出し kazuaは食事会を抜けた
2人とも 学生さんじゃない いい年こいた おっさんだ。そして 戦友だ。

今はコンサの試合じゃなくても 一緒にいることが多くなった
「メシ食ってるから来い」だ「カラオケに居るから来い」だと 無理やり誘う
大概は「仕事が忙しいからダメ」と断られる それでもメゲずに誘う
メシを食いに行っても カラオケに行っても この人はさり気なく気を使う
酒の注文だ 空いた皿の片付けだ 灰皿だ マイクだ と手配する
なにもオレらにそんな気を使わなくても と言っても
「いや 性分なんですよ」 と笑う さすが 好青年だ。

だが 時が経つにつれ 会う頻度が増すにつれ おや?っと思うことが多くなる
誰も知らない 裏ルンバが 時々 顔を出すのだ。


昨年のシーズン序盤 第3節の仙台戦を最後に 勝てなくなったコンサ
行く試合 行く試合 どうにも勝てず 見ていてイライラすることが多かった
その頃 怒りの矛先は 走らない堀井だった
「ほるぃー!走れー!!!」 私は叫ぶ U子は隣でうなずく。
すると "チッ" どこからともなく 聞こえる
?? 何だ? 少しすると また "チッ" 何の音だ?
よくよく観察すると その音は 堀井がボールを持つたび聞こえてくる 

"チッ"    舌打ちだ。 すぐ横からだ。

恐る恐る 横のルンバ氏を見る。無表情だ。怒っているのか?それとも違う人なのか?
堀井がトラップをする 相手に取られる"チッ" 堀井がパスを出す 通らない"チッ"
舌打ちは すぐ隣から聞こえる やっぱりルンバ氏だ 間違いない。
ロングボールが入る 堀井は追わない… プチッ 何か聞こえた

「コルァ!!ふぉるぃいっっ!!走れや!」

アウェイ側 ゴール裏 上段 約10m四方 響き渡る 近隣の人が凍る。kazuaも凍る。
もの凄い形相だ 鬼だ 隣に鬼がいる U子に助けを求めたが U子も凍ってた
急に 楽しかったルンバ氏との思い出が 走馬灯のように蘇る
気遣いのルンバ もの知りのルンバ 楽しいルンバ 愉快なルンバ ルンバ ルンバ…

僕の知らない ルンバさん。 はじめまして 裏ルンバさん。


その後 裏ルンバは頻繁に顔を出すようになった。
堀井のケガが復調し 本来の走りを取り戻すと 彼への舌打ちはなくなった
だが 入れ替わるように 次のターゲットを見つける
淳二 … 西澤 淳二。 背番号 3。 "チッ"
相手のロングボールに対応する淳二 ラインを背負い余裕でプレーする
そして普通に奪われる "チッ" 無表情だ。
相手MFがドリブルで突破する 向かう淳二 普通にセンタリングが上がる"チッ
DFラインでボールを回す 相手FWがプレスに来る 普通に奪われる 
眉間のシワが一気に増える まるで五線譜だ 額に浮き出た血管で一曲出来る
眉は吊り上り 鼻息で前の人の髪が乱れる

「な・ぁ・に・や・っ・て・ん・だ・ー!!!じゅんじー!」

叫びはドームの天井から跳ね返り 会場を木霊する。 じゅんじー じゅんじー…
そんな幻想的な世界にも 誰も笑わない 恐怖が近隣を包む
kazuaは舌打ちが聞こえてから ずっと黙っている カチカチに凍っている
この怒りが通り過ぎるのを 氷の奥から ただじっと待つ。

裏ルンバの怒りは 無論 コンサの選手だけではない 相手チームへはもっと凄まじい
特にウチの2番へ激しいチャージでもあろうものなら その叫びっぷりたるや…
いや ここで書くのはよそう。 その叫び その形相 全て犯罪的だ。
全身くまなく凶器と化する。それが裏ルンバだ。

もうひとつ。裏ルンバは怖いだけじゃない。意外と緩い所もある。
試合前 必ずスーパーに寄る 食い物と飲み物を買う そこまではいい
時々 おやつも買う それもまだ理解できる。
だが 買ったおやつは カントリーマアムだった。 それも 徳用サイズだ。
さすがに それはダメだ。 好青年ならオレオだ。普通サイズだ。
お菓子のセンスは U子と同レベルだった。

試合中 よく口をモグモグさせている なんとなくルンバ氏を見ると
「食べます?」 と ビーフジャーキーを差し出す。いつもだ。鞄に常備されてるようだ。
ビールじゃなくてもビーフジャーキー。ウーロン茶でもビーフジャーキー。素敵だ。
あれですか?いつ雪山で遭難してもいいように備えてるわけですか?
なんか 緩い。普段 隙がない彼だけに なんか 緩い。それも裏ルンバの一片だ。

皆さん がっかりしたでしょうか。裏ルンバの実態をお知りになって。
ただ ご安心ください。ルンバ氏は至って好青年です。それは間違いありません。
裏ルンバが出現するのは チームが不調の時 または相手チームのプレーによってです
だから私は いつも勝ちを願います。 必要以上に 願います。

どうか コンサドーレ選手の皆さま 裏ルンバの出現を妨げるよう
好青年のイメージを崩さぬために どうか どうか 頑張ってくださいませんか。


蛇乃目亭ルンバ 40間近。 好青年で心優しい男。

昨年4月 室蘭 山形戦の帰り
「せっかく こっちまで来て 真っ直ぐ帰るのは もったいないよね」
私がそんなことを言うと 黙って道を変えた
丘を登り 見下ろすと 湖が見えた 洞爺湖だった。

「ふるさと なんですよ 僕の」

通った学校 遊んだ校庭 大きな木 いろいろ教えてくれた。
真後ろにそびえる有珠山 3度の噴火で近隣の地区は跡形もない
「なんか 寂しいもんですよ」 溜息をひとつ。
それでも 私は 何か嬉しかった。 育った町を 思い出を 分けてくれた。
友人から 友だちになった。


室蘭の市原戦 勝った時 誰よりも大きく喜んだ 見知らぬ人と抱き合って。
勝ちにあれだけ喜ぶのなら 負けにはきっと 凄く悔しい思いをしてるのだろう
普段は その悔しさを見せない。誰よりも 負けず嫌いなのだろう。

初対面の時 宮の沢のサテライトで一緒にいたのは しのかいさん。
私との連絡が取れた後 「行きましょう」と誘ったらしい。
全て先輩からの頼みだった。「札幌でネットワークを作ってくれ」 そう頼まれた。
先輩の名は さくたろう。ホーム観戦に行く時に 皆に会いたい それが理由だった。
苦手なことも 何も言わず 先輩の頼みを引き受けた。 人脈は瞬く間に広がった。
文科系のような 体育会系。ふたつを兼ね合せた人だ。

ルンバ氏宅の隣は おばあちゃんの一人暮らし 大雪が降れば 黙って除雪する。
たとえ それが2時間半掛かろうとも。 黙々と雪を掻く。
多分 時々 後悔してると思う。 でも今さら止めるわけにはいかない。
「ありがとう」 と言われ 止めないで良かった と満足する。ただ それだけで。

一緒にいる人を決して不快にさせない。だから人は彼に甘える。
私もきっと迷惑をかけていたろう。けれど彼は全て受け止めている。
何も言わず ただ微笑んで 受け止める。


良い人であることに 時々 疲れる。

外側の自分と 内側の自分に 戸惑う。

自由奔放に憧れ 自由奔放を嫌う。

争いは嫌いだが 闘いは好きだ。

ひとりが好きだ 仲間はもっと好きだ。

サッカーが好きだ コンサが好きだ。


まだまだ 私の知らない蛇乃目亭ルンバは 存在するだろう。
それは これから 少しずつ知っていこうと思う。

良い人で。 意外とそうでもなくて。 やっぱり良い人 友人R。
お揃いの シーズンチケットSA席 先日 買いました。

どうぞ 今年も よろしく。 ずっと よろしく。


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