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『私の天竺』

2004.1.4 猥鈍駄馬

  2004年。天皇杯では自虐的に「奇跡」なんて言っちゃうくらいの快進撃をしたものの、
リーグ戦は史上最低の成績に終わりました。でも史上最高に楽しい一年でした。
それは たくさんの仲間に恵まれたからです。去年から繋がりつつあった関係が、
今年は大きく発展しました。いや、その関係が熟成されて来ている と言った方がいいのかな。
たった一年なんですけど。

  最初はオフ会みたいなものは何だか気持ち悪くてイヤだった僕ですが、
二つの掲示板を通して会話をしているうちに何か心に感じるものがあり、
管理人さんの後押しもあって どんどんと色んな人に会う事になって、
そしてどんどんと仲間が増えて行きました。今までも一緒にサッカーを観たりする友達は
いました。でもチョット違うんですよねえ。何て言うか、“いい塩梅”なんですよねえ、今は。

  以前ある人が サポーター同士の仲間割れを見て「どうして同じ星を見ている者同士なのに
上手く行かないのかなあ」なんて言っていました。よくあることですよね。
でも僕は やっぱりアマノジャクなので「人は皆 同じ星を見ているワケではない」という前提に
立っちゃうんですよねえ。それでもって 今の仲間も どうやらそれに近いような感覚で
いるような、それでいてやっぱり結構同じ価値観で物事を見ていたりして、
必要以上に力の入らない、でも同じものに同じようなテンションで一緒に感動できちゃう
不思議な人達なのです。
試合を観ていても、誰かが気の利いた動きをすれば「お、あいつ見えてるねえ」、
誰かがサボれば「ごラア!走れえ!」、おかしな笛には「ふざけんな!どこ見てんだ!」、
スペースやシュートコースを見つけると「あるあるある!」、入んなくてもイイから
今は打っとけ と思う場面では「打っちゃえ打っちゃえ!」、「副審ハッキリしろ!」・・・等々。
更に 試合という現象面だけではなく、練習や選手の育て方、クラブや監督の哲学、
挙句の果てには日本代表や解説者に関してまでもが、何かにつけ みんなおんなじ。
やっぱり “いい塩梅”なんです。

  出会いには“タイミング”も重要な要素だと思います。人にはそれぞれのバイオリズムが
あって、応援するチームにもそれがあって、それらは長い波と短い波があって、
社会情勢や時には自然のイタズラまでもがあったりなんかして、そんなこんながある時点で
重なり合って出会いが生まれるのでしょう。「偶然」と言ってしまえば
済むことかもしれませんが。

  これが5年前だったら 僕は馴染んでいなかったでしょうね。もしかすると5年後でも
ダメだったのかもしれません。

  世の中にサッカーがあって、ちょっとダメになりかけたクラブがあって、
ひょんな事で始められたHPがあって、応援する選手がいて、いつの間にか
「類は友を呼ぶ」で人が集まって来ました。この“いい塩梅”も この先やはりそれぞれの
バイオリズムなんかのせいで 距離的には多少付いたり離れたりがあるのでしょう。
でも仲間であることに変わりはありません。
一年経って確信しましたヨ。この出会いは「必然」だと。

  ヤンツー監督の誕生日と共に新しい一年が始まりました。今年はどんなシーズンに
なるのでしょうか? 僕にとって楽しい一年であることは お陰様で目に見えているのですが、
それでも なるべくたくさん勝って、あわよくば昇格争いなんかもして欲しいですね。
いくらアマノジャクな僕でもそう思います。

そんなワケで 今年も一年どうぞよろしくお願いいたします。


NO.3 『Ride Like The Wind』

2004.11.10 猥鈍駄馬

10/16付け北海道新聞朝刊にあった 某高校野球監督(駒大苫小牧ではありません)のこと。

「高校野球は監督の采配が勝負を決める」が信念で、センバツ優勝を果たした時は、
投手の全投球をベンチからサインで指示した。

とありました。「ほほう、俺はイヤだね」と思いましたね。
一方、11/2付け北海道新聞朝刊で、北海高校のサッカー部 島谷監督のことは、

選手の自主性を重んじ、練習後のミーティングには加わらない。全国選手権の戦い方も
「選手に任せたい」と言う。その言葉に積み上げてきたものへの自信がのぞく。

とありました。「イイねえ、こーゆーの」と思いました。
僕はコドモなので、その本当の意味もわからないまま "自由"に憧れるのです。

団体競技であるサッカー(や野球等)の試合で 個々人が本当に好き勝手をやっていい訳が
ありません。それでも僕達は 選手にもっと自由に伸び伸びとプレーして欲しいと思いながら
観ています。自由なプレーとは何でしょう?今で例えるならロナウジーニョのような
プレーでしょうか?ジダンやバッジオやエメのようなプレーでしょうか?ただそれは、技術・セン
ス・実績に裏付けされた上で本人が勝ち獲ったものです。監督が、周りの選手が、
サポーターが認めた自由なのです。

では自由を勝ち獲るためにはどのようなプロセスを踏めば良いのでしょうか。練習でアピール
をする・試合でアピールをする・常に私生活を含めて言葉でアピールをする。
言うのは簡単ですが、じゃあ果たして選手には 常にアピールをする自由はあるのでしょうか?
アピールをするためのアピールをしなくてはいけない なーんて事だって
あるのかもしれません。世間ではよくあることでしょうが。

当然サッカーにおいて それは主に監督のやり方に委ねられているのでしょう。
そしてそのやり方は、よく言われるような、選手を「子供扱いする」のか「大人扱いする」のか
という二者に分けてみるのが、結構分かりやすかったり 議論しやすいように思えます。
「子供扱い」の代表はやはりトゥルシエですかね?そして「大人扱い」の代表格はズィーコ。
どちらも記憶に新しいし。
トルシエは 選手と言うよりも、日本のサッカー(及びサッカー界)自体を「子供扱い」して
対峙していたような気がします。そして勿論ジーコはその逆です。ただ、矛盾するような言い方
ですが、トルシエは「大人と認めた上での子供扱い」をし、ジーコは「まだ子供なんだけど
大人として扱わなきゃ」という感じでいるようにも見えます。そうだとすると、
両者は決定的に違うようでいて、根本的には同じという気もします。
そういう指導方法及び采配なのではないでしょうか。

では我等がヤンツーは?我等がコンサは?
この一年間は、間違いなく「子供扱い」です。ただしトルシエと違うのは、本当に子供だと
認識した上での子供扱い。「早く大人になりなさい」「大きくなったら もっと色んな事を
教えるから」的な接し方。大人になるための教育期間。いわば小学校の先生のような感覚で
やっているようように感じます。そう考えると、スパイクを替える替えないのことも、
練習のあり方のことも、生活態度のことも、「どうしてもっと手取り足取り厳しく、ムリヤリ指示通
りやらせたりしないのか?」という疑問も解けてきます。だって小学生に相対性理論を教えたっ
て、ねえ?
ただもしかして「こんなにも子供だったのか!?」という誤算はあったのかもしれませんね。
選手に対しても 僕達サポーターに対しても。

ものっスゴイ希望的観測なのかもしれません。そして 選手を選抜する代表チームと、
育成するクラブチームとを並列で論ずることのナンセンスさも踏まえた上での戯れ言ですが、
トルシエとジーコの共通項=信念を曲げない・哲学を持っている事は、
柳下監督にも共通していると思うのです。恐らくこれから徐々に「大人扱い」をして
行くのでしょう。いや、既にその傾向はハッキリと見てとれます。(第4クールくらいからは特に。
でも「第3クールからそうする」という僕の予想は外れてしまいましたねえ)

世の中に絶対正解というやり方などある訳がありません。誰かにとって良いやり方でも、
別な誰かにとっては悪いやり方になってしまうという事もあるでしょう。個人レベルではなく
チームやクラブにとっても同様でしょう。それならば、信じてやってみるのが一番手っ取り早い
はずです。信じるに値するかどうかの見極めは、信念がブレないかどうか。・・・うん。
それはヤンツー大丈夫。クラブも、この一年は 外から見る限り やる事がブレてません。
今のトコ大丈夫。

自由と不自由、束縛と開放は 常に表裏一体です。今期の開幕戦のピッチで得た自由。
そしてシーズン中盤で失った自由。それは再び先日のドームで後半開始の笛と共に
やって来ました。いや、自らの手で勝ち獲ったのです。
恐らく来期のチームでは今よりも束縛が増えるのでしょう。そしてその束縛に忠実である事に
比例して、自由も増えると思います。変な話しですが、きっとそうです。

人間の筋肉に起きる「超回復」という現象。同じ事は精神にも起こります。筋力が鍛えられて
肉体が成長するように、精神力が鍛えられて 子供は大人へと成長するのです。苦労して、
悩んで、必死になって、やっとの思いで獲り返したものも、いつの日かまた失う事が
あるでしょう。それは不運によって降りかかるのかもしれません。でも、その時はまた
そこから這い上がって来て欲しい。僕達はその度に何度でも繰り返して声援を送ります。
もちろんピッチ上ではその何倍もの声を出すでしょう。
(鳥栖戦の後半の盛り上がり方はスゴかった!)
だから、いつも応援しているから、頑張れ!岡田 佑樹!


NO.2 「Holy & Bright」
2004.8.14 猥鈍駄馬

結論から言ってしまいます。
今のコンサにとっては 宮の沢・白い恋人スタジアムこそが「聖地」ではないでしょうか? と言う
か、そう思いたいし そうあるべきだと思っています。
長年コンサにとっての「聖地」は 厚別(公園陸上競技場)でした。札幌ドームができた時は 無
理やりドームを「新聖地」とか言うメディアもありましたね。「ダブル聖地」とか。ワケわかんない
って。

聖地の概念って何でしょう?
心の拠りどころ? 何かが盛んな場所? 発祥の地? ただの記念碑? 象徴?
心の拠りどころ という意味では、今のコンサの状況と僕達サポーターの心境を併せると、他チ
ームよりも強かった頃のコンサが勝ち点を獲りまくっていた厚別は それに相当するのかもしれ
ません。
サッカーが盛んな場所 という意味では、当時は厚別しかなかったのですから ある意味当然で
す。その発想からすると ドームができた時にはそれを「新聖地」と呼ぶのも解かります。
でもねえ、そうじゃない気がするんですよねえ。

プロの試合会場には おカネが散らばっています。おカネ儲けが汚いなんてバカな事はもちろ
ん言いませんヨ。プロなんですから。当たり前の事だし、そもそも その為にやっているんです
し。同時にサポーターの喜びや悲しみや色んな想いなんかも そこには詰まっていますよね。
だけど。だけどですよ。選手が練習で流す汗。「もっと巧くなりたい」「もっと強くなりたい」「もっと
上に行きたい」「試合に出たい」「スタメン獲り返したい」と 必死になって流す汗。時にはケガで
傷ついた体を治すため、苦しいリハビリに取り組む汗。それはとっても尊いものだと思います。
そこにはウソもカケヒキもマリーシアもありません。あるのは ひたむきな心だけ。そこを見て、
感じてしまったら、比べるものではないと判っていながらも、それを支持せざるを得なくなってし
まうんですよねえ。

プロレスの話しですが、かつて輝いていた頃の新日本プロレスの道場では 本当に稽古が厳し
く、正に血反吐を吐きながら汗を流していたそうです。その遺伝子を どこよりも強く引き継いだ
旧UWFもそう。"話し半分"としても その稽古は相当なモノであったようです。相撲も、ボクシン
グも、野球もそうでしょう。Jリーグだって、ジュビロに行った佐藤洋平が「札幌の時とは練習か
ら違う」と雑誌インタビューで言ってました。表舞台で輝くためには その分裏で汗を流さなけれ
ばならないのです。

戦う場所はどこでもイイです。厚別だろうがドームだろうが横国だろうがエコパだろうがウエン
ブリーだろうが。そこで戦う選手達が 汗や時には涙にまみれながら 自らの力を鍛え、育てる
場所。チームが自分達の力を鍛え、育てる場所。そこから戦いに向かい、そして還る場所。そ
れこそが 尊い精神の宿る場所。それこそが「聖地」なのではないでしょうか。

宮の沢。そこではサテライトの試合も行なわれます(有料だけど)。そこに集まるサポーターに
は、殺伐とした雰囲気はありません。普段厚別やドームで「ゴるぁああ!」とか叫んでいる人
も、みんな穏やかな顔で 聖書片手に応援しているような感じです。ここで何が生み出され、そ
してそれがどこに向かおうとしているのか みんなが分かっているからです。サポーターにとって
も 精神が還る場所になっているような気がしますね。少なくとも僕にとっては そうです。
スポンサー兼副社長兼サポーター代表に気を遣うワケではありませんが、もっともっと市民に
深く理解されるべき場所だと思いますね。(「石屋製菓が自分達の利益のためにもやっている
事だ」なんて野暮な事は言いっこナシ。そんなことは織り込み済みですヨ)

クラブや選手のみなさんには、今以上に高い志しを持った汗を流して、"聖度"を上げてもらい
たいと切に願います。
ああ、しかし...僕は練習を見に行ったのは一度しかないのです...。しかもその時だって
練習はほとんど終わっちゃってたし。今度仕事サボって行かなくちゃ。



NO.1 「未来は僕等の手の中」
                                          2004.7.11 猥鈍駄馬


5月30日。少々朝寝坊をして 9:00頃ベッドから這い起きる。何だろう?ノドが痛い。元々ずっと
調子は良くないのだが、今朝はいつにも増してダメだ。でも「何だろう?」じゃないな。原因は寝
ボケた頭でもすぐにわかった。昨夜は嬉しい仲間達と さんざん騒いだのだった。そう、気の合
う素敵なコンサ馬鹿達と。
昼間の札幌ドームでの『vs湘南戦』の応援後、場所を移動してのその飲み会は、先日仲間の
先輩が立ち上げたOSCの 晴れある第一回目の集会=『縁会』でもあった。世代を超えて お
互いに相手を思いやり、信頼し合い、手を握り合い、笑い合える仲間達。ひょっとしたらコンサ
よりも チームとしての団結と役割分担ができているかもしれない。
『縁会』は6時間で終わったのだが、短(?)時間に集中して 学生みたいな騒ぎ方をしていた
為、体には随分とダメージを与えてしまったようだ。おかげで咳も止まらず まともに声も出せな
い。強めに呼吸をするとムセ返ってしまうので笑うこともできない。
が、しかし今日はアレだ、サテライトの試合だ。昨日の仲間も行っているはずだ。15:00から宮
の沢。テンパっている仕事もあるため、試合の時間だけ 白恋に行くことにしよう。
そう決心したところで ちょうど仲間の女王様から電話が入る。「待ってるヨ」との由。こうなると
娯楽というよりは使命感に近いものがあるな。

14:55。宮の沢の西友に車を停め、テクテク歩いて白恋に向かう。当日券を買い、キックオフに
遅れること3分で入場。入口で係りの人に「ご苦労様です」なんて イイ人ぶって声を掛けていた
ら「ワアアーッ!」というどよめきが起きる。僕が到着した事への歓迎の声援ではないことはす
ぐに判ったのだが、それにしても 点を入れられた悲鳴でもないようだ。これは紛れも無く歓喜
の声だ。あれ?と思って時計を見るが、やはり始まったばかり。うちが開始早々に点を獲るわ
けなんかない―― という妙な負け犬的発想は大間違いであったことを 新居に教えられてしま
った。

中に入ってケータイで連絡を取り、仲間が取ってくれている席に行く。バックスタンド真ん中あた
りで前から二列目だ。これだけ近いと 選手の息遣いや ピッチを駆ける音・ボールを蹴る音も
全部聴こえる。鳴り物も少ないし、選手やサポーターの声がハッキリ聞こえる臨場感たっぷり
の屋外ライブである。

サテライトの大きな楽しみの一つは、若手選手の成長具合を見ながら その延長上に トップの
試合で活躍する姿を想像することだ。多くのサポーターがそうであったように、去年の最大の
発見は岡田佑樹。今日は来ていないKさんあたりも 早くからその活躍を予言していた。
そういう意味では 今年は去年以上に楽しみが多い。桑原・上里・上田・斉川 等々。特に上田
に対しては、名塚以降 慢性的なDF不足というチーム事情も手伝って 僕は過度な程の思い入
れを抱いている。
今日の彼は 前回のサテ戦で見たときのようなオドオドした様子は無く、真ん中で堂々としてい
る曽田のコーチングを受けながら、安永や田中をしっかりと抑えていた。ヘディングも割りと強
い。失点のシーンはシュートを打たせた上田の責任もあるのかもしれないが、僕(の観ていた
角度)からは GK阿部のポジショニングがもう少し良ければ防げたような気がする。

試合開始に遅れたせいか、前半は僕自身なかなか試合に入り込めないでいた。ボールの行
方よりも ぼんやりと目の前のDFの動きばかりを追っていて、時々 向こうサイドに張っている岡
田が攻め上がった時に 慌ててそっちに目をやるくらいだった。
それにしても気持ちがいい。観客席のどこにも殺気立ったものはなく、誰もが優しい気持ちで
観ているようで。今期のコンサに対しては、リーグ公式戦でも 今日と同じようなスタンスで見守
ることができれば、僕達サポーターも一皮剥けることが出来そうな気がするなあ。

いつの間にか前半が終わり、私服で観戦に来ている選手や そのオクサン及びカノジョなんか
を双眼鏡でチェックしたりしているうちにハーフタイムもあっという間に過ぎてしまった。
さあ後半の始まりだ。選手が出て来てそれぞれのポジションにつく。今度はしっかりと試合に集
中しよう。だって何と言っても 前半とは逆に 今度は岡田がこっち側のサイドを駆け上がること
になるのだ。「岡田頑張れ!」声を出せる状態ではないけれど、それでもとにかく彼が近くに来
たら そう言おうと 心に決めて待っていた。
先にこっち側にやって来たのはFマリノスの選手だ。あれ?田中に似てんなあ。・・・え?本人?
え? 一瞬事態が理解できなかったのだが、でも確かに目の前には田中隼磨がいる。前半は
定位置にいた田中が 今度は逆サイドにやって来て、つまりは岡田とのマッチアップなのであ
る。岡田の攻撃力を警戒したのか、それともその攻撃の裏を突こうとしたのか、とにかく代表級
の選手が 僕の目の前で岡田に戦いを挑んでいるのだ。僕のモチベーションも急上昇した。急
遽、送ろうと思っていたセリフを変えた。
「岡田ァ、田中に負けんナよォ!」

後半に入ってもチームの運動量は落ちない。相手との力関係、ホームであること 等の要因は
あるだろうけど、球際に強く行き、こぼれ球を拾い、スペースも上手く使えている。桑原がなか
なか効いていて、スペースを探しながら果敢にドリブルで仕掛け、しかし持ちすぎることなくパス
を出し、周囲もそれにしっかり反応していた。
「いいぞ、観ていてフラストレーションが溜まらないぞ」なんてウキウキしていたら、ふと 自陣近く
で 誰かは判らないけど 中盤の選手が相手ボールを奪い取った。
「右ィ!!」
のんびり観ようとしていたはずなのに 自分でも不思議な感じで突然スイッチが入り、思わず声
が出てしまった。前掛かりになっていた田中の裏にポッカリと大きなスペースが空いているの
だ。そして驚くことに(驚いちゃイケナイんだけど)次の瞬間 そのスペースに岡田が走り出し、
同時に その先目がけてボールも出て来た。
「よーし、行けェ!」
またもや 出ないはずのノドから声が出る。ザッ!ザッ!ザザザザザッ! 少しだけ湿った感じ
の 心地イイ響きの音と共に 目の前を岡田が駆け上がる。彼の最大の見せ場だ。サポーター
席も 一気に盛り上がり、大声援が湧き起こった。
後ろからは 正に必死の形相をした田中が追い駆けて来ている。「ンノヤロー!待てえ チキショ
ー!」と彼の眉間のシワと 吊り上ったマユがそう叫んでいる。
ザザザザザーッ!! 先行する岡田・追い上げる田中。まるで100メートル競走のような猛ダッ
シュ。目の前の大スクリーンに映し出される ステレオ音声付きのド迫力の戦い。
コレ!コレ!コレだよ!このナマの迫力! やっぱりCD・レコードよりも、ナマのライブのグルー
ブ感! 東京ドームよりも 距離の近いライブハウス! コレだよ やっぱり!
この一瞬の攻防だけで、僕はもはや勝ち負けなど どーでもよくなっちゃった。昨日のトップチー
ムの試合が この試合・このシーンの前座にすら感じてしまうくらい。これで\1,000は安いもんだ
ね。
ありがとう岡田。ありがとう田中。いーモン見せてもらったヨ。

結局試合は2−1でコンサが勝った。岡田の強引な突破&シュートのこぼれ球を またもや新
居が押し込んでの決勝点。トップチームの仙台戦以来 今期二度目の勝利の味である。
我々仲間の隊長の「勝つって気持ちいいべええ!」という選手への言葉が心に染みる。「勝ち
負けはどーでもいい」とか言いながら、やはり僕も 勝つと最高に気持ちがイイのだ。当たり前
だよな。

ところで この試合の出場メンバーの平均年齢(5/30時点での満年齢)は
  コンサドーレ札幌:先発メンバー/21.0歳 交代出場選手を含めると/20.6歳
  横浜Fマリノス:先発メンバー/22.2歳 交代出場選手を含めると/22.1歳
横浜はGK下川と佐藤の二人が平均年齢を上げているのだけれども、先発した10代の選手の
数は共に4人。年齢ではなく月齢で計算するとまた微妙に数字は変わるだろうが、そんな細か
いことを言いたいのではない。
試合開始時には 一瞬「何だよ、うちは随分と主力選手が多いなあ」「これじゃあ 大人対子供
の試合みたいだなあ」なんて思ったんだけど、実はそうではなかったのだ。両チームとも年齢
構成はほぼ同じ。それを並べてみた時に 札幌の方が格上に感じるということは、うちの若手
の力が伸びているという事なのだ。他チームの監督や関係者がよく口にする「札幌は楽しみな
若手が多い」「若手にイイ選手がたくさんいる」というのは、あながちリップサービスだけではな
いのだろう。
なーんだ。これからがますます楽しみになるという事じゃないか。但し若い選手は この先どっち
に転ぶかは分からないからねえ。周囲の大人達が、しっかりとサポートしてあげなければいけ
ないな。

コンサドーレは 今はJ2リーグでもなかなか結果は出ないけれど、悲観する必要は全く無い事
が改めて良くわかった。むしろ明るい希望に満ち溢れているという事も。
近い将来、僕達はきっと素敵な"未来"を この手に握り締める事ができるだろう。その未来は、
間違いなく このスタジアムから始まるのだ。

それにしても サテライトのホームゲームが4試合しかないなんて、ちょっと勿体無いなあ。



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